バーベキューをしたいけど、遠方まで足を運んでまではなかなか出来ない。まして今はコロナ禍で自粛を余儀なくされ、密を避けないといけない。「都会でも近隣に迷惑をかけずにバーベキューを楽しみたい」そう思う方もたくさんいると思う。私も「バーベキューは近隣に迷惑のかけるもの」という考えをもっている。なので絶対に自宅ではバーベキューはすることはなかった。今回、自宅やベランダで気軽にバーベキューができる「無煙グリルロウリュ」を試してみる事にした。
この記事の内容
1. 無煙グリルロウリュとは
ロウリュは自宅でも気にすることなくバーベキューができる、煙が一切出ない無煙グリルである。燻製器と蒸し器の良いところを併せ持っているバーベキューグリルである。食材をセットすればあとはロウリュにお任せ。出来上がる間にみんなで楽しく団欒の時間が持てる。つまり、●炭火でも煙が出ない●蒸気の力でジューシーな仕上がり●囲炉裏を囲むような団欒バーベキューが都会でも実現。という至れり尽くせりのグリルである。
2. ロウリュの組み立て
サイズ:W56 x D26 x H32 cm、重量:7.8kg 丈夫なステンレス製でずっしりとしている。ステンレスの中でもさらに性能に優れているSUS304という材質を使っているとのこと。特に耐食性、耐熱性、強度が高いステンレスらしい。さっそくロウリュを組み立ててみる事にする。
上蓋を開けると付属部品が入っている。
※本体グリル内に写っている本革取っ手カバーとロウリュタオルは別売り。
※本体グリルに写っている本革取っ手カバーとロウリュタオルは別売り。
組み立て部材一式。グリル本体、上蓋、取っ手(本体用、上蓋用)、脚×4、炭ボックス×2、杉板、本革取っ手カバー(別売り)、水受、焼き網、底網、空気調整カバー(大、小)、ボルト、蝶ネジ。
組み立ては+ドライバー1本で十分。説明書を見ながら15~20分で完了した。
重厚感のある無塗装ステンレス+研磨と溶接の跡+本革のカバー(別売り)が醸し出す無骨なワイルド感がバーベキューをそそらされる。
両サイドが炭箱。グリル本体中央が水受けと焼き網、写真では見えないが、水受けの下には底網が鎮座する。焼き網の脚が完全に水受けの中に入る仕組みになっているため、肉が焼けた時に出る油が全て水受けの中に落ち、無煙が実現できる構造となっている。
炭箱を本体の中に収納した状態。上蓋の空気調整カバーの開閉で温度調整ができる。
溶接と研磨の跡が手作り感を漂わせる。本革の取っ手カバー(別売り)と相まってワイルド感と重厚感がどっしりと伝わってくる。バーベキューグリル本体及び網はプレス機などの量産機を使用せず、70年以上の歴史を持つ日本国内の下町工場の熟練の匠たちの手作業によってステンレスが曲げられ、溶接され、研磨されて一台ずつ丁寧に生産されているとのこと。
3. ロウリュの火起こし
火起こし器は着火時はどうしても煙が出るので、(スペースのある)自宅の庭だと問題はないが、マンションのベランダだと炭入れボックスに直接炭を投入してトーチバーナーで炙って着火する方法が簡単かつ安全なのでこれをおすすめする。
さぁ、さっそく火入れ式といこう!
グリル本体底の空気調整カバーは全開にした。その上に水受トレイを乗せる底網をセットする。
その上に水受トレイを乗せ。。
水を入れる。水受トレイの8割くらいまで入れてみる事にした。
水受トレイの上に焼き網をセット。焼き網の脚が完全に水受けの中に入る仕組みになっているので、グラつく事はなく、しっかりと安定している。
グリル両サイドの炭入れボックスに炭を入れて着火。
今回、火起こし器を使って着火するつもりだったが、風が強くて燃えカスが飛び散る心配があったので、炭入れボックスに直接炭を投入してトーチバーナーで炙って着火した。グリルが構造的に風に影響されないので簡単に火起こしが出来る。火起こし器は着火時はどうしても煙が出るので、(スペースのある)自宅の庭だと問題はないが、マンションのベランダだと炭入れボックスに直接炭を投入してトーチバーナーで炙って着火する方法が簡単かつ安全なのでこれをおすすめする。
4. ロウリュでバーベキュー!その実力は
ビーフチーズステーキ
ロウリュおすすめレシピから、ビーフチーズステーキを作ってみる事にした。
十分に熱くなったロウリュの焼き網にビーフをのせる。いつものような「ジュ~ッ」っというような焼かれた鉄に肉が音を立てる事もなく、なんとも静かである。というか、音がしない。あえて言えば、ステンレスの網台に肉を置いた時の「ペタッ」っとした音のみである。もちろん煙も何も出ない。。
上蓋を閉めてそのまま様子を見てみる。。
ウンともスンともいわない。。近付いて空気調整孔をじっと見るが、煙の「け」の字も確認できない。まさに「無煙」だ。。
本当に焼けているのか?それとも炭が消えてしまったのか。。手を近付けてみると。。めっちゃ熱い熱気が上がってきていた。確実に調理されている!まさに無煙グリル!周囲を気にせず自宅でバーベキューが出来る事に納得である。
10分位経っておそるおそる蓋を開けると。。
うわっつ!!めっちゃ美味しそうに出来上がってる!しかも見るからに「ジューシー」な仕上がり!肉の脂が損なわれずしっかりとじ込まれているような感じだ。
しかも柔らかい!焦げ目がない!焼きムラがなく均等に熱が行き届いている!
ガーリックチーズソースをかければ出来上がり!本当に柔らかな仕上がりで、いつものバーベキューでガスや炭火で焼くと焦げたり、脂が滴り落ちて硬くてカスカスになるような「バーベキューあるある」が一切ない!しかもジューシーで肉の甘味も感じられた。絶妙な仕上がりである。
サーモンのプランクグリル
ロウリュおすすめレシピから、次はサーモンのプランクグリルに挑戦してみる。木曽杉のプランクを2時間ほど水に浸けて十分に水を吸わせた上にプチトマトやパプリカ、キノコ類をトッピングしたサーモンをのせる。
ロウリュに投入!あとはお任せ!
どれどれ、出来上がったかな?
15分程で取り出してみると、いい感じに出来上がっていた。
サーモンの身がとてもふっくらしている。先ほどのビーフチーズステーキといい、水分が逃げずに閉じ込められるのだろう、とても柔らかくてふっくらした仕上がりになる。そして味には素材のほんのりとした「甘味」が共通して感じられた。これも直火ではなく、遠赤外線効果と蒸気のコラボがなせる味と仕上がりなのか。。レモンを絞って食べるととても旨い!あっという間に2切れが胃袋におさまってしまった。
コーンとソーセージのバーベキュー
続いてコーンとソーセージを焼いてみる。
どれどれ~、出来たかな~?
うっひょ~!いい感じにソーセージが裂けてる~!めっちゃ美味そう!
熱々のコーンとソーセージに冷えたコーラ、最高に美味しい!
THE!焼肉
牛肉に塩と胡椒をふりかけて。
蓋をしてしまえば後は出来上がるまで何もしなくていいので、ついつい話に夢中になってしまい、かなり時間が経ってから慌てて蓋を開けると。。
焼け過ぎて硬くなってると思っていたが、脂の乗った柔らかくてジューシーな仕上がりに驚いた。塩コショウの効いたシンプルな味付けで十分旨かった。とにかく食材の水分と旨味を閉じ込めてくれるので、肉がカスカスにならず、噛めば噛むほど食材の風味を味わう事ができる。
5. おすすめ!冷えた肉、さらに旨い
昨日のバーベキューで余った肉を冷蔵庫に冷やしてそのまま食べてみたら、なんと!更に美味しくなっているではないか!熱々の出来立ての肉もめっちゃ美味しかったが、冷やした肉の美味いこと!冷蔵されてるにも関わらず肉も柔らかで、特に炭の香りがはっきりと感じた。まるで焼き鳥屋さんで食べるあの香りそのものだった。肉に炭の香りがたっぷりと染み込んで炭火焼きの風味が最高に堪能できる。鉄板の上や、ガスコンロではなく、これぞ炭火焼きの神髄!とあらためて炭の偉大さを知らしめてくれた感じがする。これは意外な発見だった。
6. ロウリュの後片付け
ホームセンターで炭の処理用にと購入したブリキ缶。これが以外にもロウリュに使える優れものだ。
ロウリュの下にのせて。
ロウリュ本体の空気取り入れ口からハケでブリキ缶に落とし込むだけ。円形のスライドカバーは蝶ネジなので簡単に取り外せるので炭の掃除も超簡単!
火起こし器とトングは上手い具合にロウリュ本体にしっくりと納まってくれた。
取っ手や脚、その他ネジ類も紛失しないようにロウリュ本体の中に収納して完了!
ステンレスは錆びと汚れに強いが、それでも錆や汚れが発生する場合がある。その場合は中性洗剤やステンレス用洗剤でふき取る。それでも落ちない場合はステンレス製ブラシを使用する。使用頻度にもよるが半年に1回くらいの清掃がベスト。また出荷時の表面研磨にはディスクグラインダーを使用しているので、自宅でも定期的にサンドペーパーでバーベキューグリルを研磨する事で表面が磨耗し、さらに味わい深い外観となり、自分だけの特別なグリルに仕上がるとのこと。革製品のように使えば使うだけ深みと味が出るロウリュ、これからが楽しみである。
ロウリュの取っ手カバーは本革である。合成皮革と違い本革はこまめな手入れを怠ると硬くなって亀裂が入り使えなくなる。逆に愛情を持って大切に手入れをすると、グリルと同様、しなやかさを保ち、色、艶共に歴史を感じさせる「深み」が出てくる。効率面から考えると合成皮革は手入れしなくてもいい。そこを敢えて本革にしたのはグリルだけではなく、アクセサリーに至るまで本物へのこだわりを持ち続ける開発者の意気込みが伝わってくる。物には魂がある。使う側が愛情を持って手入れをすれば、それに必ず応えてくれるものだ。
私が革製品の手入れに使っているのはこのビーズエイジングオイル。ねっとりとした固形タイプで、じっくりと塗り込んでいくと、乾いた皮革がみるみる潤いを取り戻してしっとりとした艶を取り戻す。オイルをたっぷり含んだ革が喜んでいるのがわかる。
オイルを塗り込む前の本革取っ手カバー
ぬりぬり、ぬりぬり~
オイルを塗る前と塗った後ではしなやかさ、艶、色の深みが全く別物!
落ち着いた色合いと艶。これから長い付き合いの中で、どんな深みを醸し出してくれるのか楽しみである。
7. まとめ
今回、初めて無煙グリルロウリュを使ってバーベキューをして感じたことは
●全く煙が出ない(空気調整孔からは良い香りはする)
●食材の水分がほとんど閉じ込められてジューシーな仕上がりとなる
●食材の仕上がりはふわっとして柔らかさが保てている
●うまみ成分が閉じ込められるので食材そのものの味を堪能できる
●食材を焦すことがない
●一度セットしてしまえば焼き加減のために食材を裏返す手間がない(放置状態でオッケー)
●マンションなどのベランダでは火起こし器よりバーナーでの火付けがおすすめ
●火や煙が全く見えないので近隣もまったく気付いていない
●音もしなくて静か(本人も忘れるほど静か)
●燻製器と蒸し器の良いところを併せ持っている
以上が私のロウリュを使った感想だ。ロウリュのコンセプトは「都会でも近隣に迷惑をかけずにバーベキューを楽しむ」ために開発された無煙グリルであるが、見事にそのコンセプトを実現している。そしてその事にとどまらず、焼き上がった食材の仕上がりのクオリティーが見事である。私から言わせればロウリュのコンセプトは「都会でも近隣に迷惑をかけずにバーベキューを楽しむ」に「炭火焼きの神髄を楽しめる」をガッツリと加えてもいいのではと感じた。自宅バーベキューをしたい方には自信を持っておすすめできる逸品だ。